白内障と手術

加齢により、透明な水晶体を構成するタンパク質に異常が生じ濁ってしまう状態を、白内障といいます。
一般的には、見えにくい、かすむ、まぶしい などの症状があり、視力低下があると手術適応になります。

そのほか相対的適応として、以下の場合があります。

手術は 濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入します。短時間での手術が可能であり、日帰り手術で行います。

正常な眼

白内障の眼

白内障の治療法

切開します 濁った水晶体を砕いて吸い出します 眼内レンズを挿入します
眼内レンズ 原寸

Alconパンフレット引用

眼内レンズの種類

眼内レンズの基本選択は保険診療で自己負担が少ない単焦点レンズ使用になります。
他方、術前検査にて、白内障以外の疾患が少なく、目のプロポーションが適している方は多焦点眼内レンズの使用が可能になります。
それによりピントの合う範囲が広がり、術後眼鏡使用頻度を減らすことができます。
術前にご本人のライフスタイル(どの距離を重要視したいか)をお聞きして、眼内レンズの選択をいたします。

しかし、若い時のように、すべての距離が明瞭に見えるわけではなく、時に眼鏡使用が必要です。
また、時間とともに軽減しますが、光がにじむ(グレア・ハロー)現象は少なからずあります。
眼内レンズの進化により減少はしていますが、受け入れていただく必要もあり、レンズ特性、メリット、デメリットをよく理解した上で手術を受けていただきます。

最後に患者様が一番悩まれることが多いのが、実は手術費用の問題です。
当院は、厚生労働省が認めた選定療養制度にて決められたシステムで診療を行っております。
単焦点レンズ使用の場合、すべて保険適応となり、費用は、白内障手術基本費用 手術代・材料費・検査代で、おおよそ1割負担の方でで約1.5万になります。
多焦点眼内レンズ使用の場合は保険適応費用に加え、自己負担分が生じ、多焦点レンズと単焦点レンズの差額をお支払いいただく必要があり、片眼当たり24-27.5万となります。

一見高額ですが、術後10年生活すると仮定すると、1か月片眼2300円前後の費用で、眼鏡の依存度が減らせることになります。
単焦点レンズも眼鏡を使用すればそう不自由となることはないですので、一緒にどの眼内レンズがいいのか考えていきましょう。

多焦点眼内レンズの詳しい情報は、「JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)の多焦点眼内レンズ情報」を参照されて下さい。

選定療養とは

選定療養は、治療に関わる追加費用を自己負担することで、通常であれば保険適用外(全て自己負担)となる治療を保険適用の治療と併せて受けることができる制度です。

2020年4月より、この選定療養という枠組みで多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が行われるようになりました。手術自体は通常の単焦点眼内レンズと変わらず保険適応となり、多焦点眼内レンズを選択することで増える眼内レンズ費用の差額のみを自費で追加してお支払いいただくことで、従来全額自己負担であった多焦点眼内レンズ手術費用の自己負担を軽減する事ができます(図1参照)。

患者さんが選択する眼内レンズの種類によって自己負担額が変わってきます。

鶴田眼科医院
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